タイが大好きで、何度も訪れている私ですが、初めてのタイ旅行では「チップ」に関してかなり戸惑いました。

屋台での支払い、マッサージのあと、ホテルのチェックアウト時……。

「ここってチップ渡すべき？いらない？」と、毎回ドキドキしていたのを今でも覚えています。

日本ではチップ文化がないので、どうしても勝手がわからないんですよね。

そこで今回は、私の経験をもとに、タイ旅行で「チップが必要な場所」と「不要な場所」について、できるだけわかりやすくまとめてみました。

私自身が現地で実際に体験したことや、他の旅行者や現地の人から聞いた話も交えてご紹介していきます。

「これさえ読めば安心！」と思えるような内容を目指しましたので、タイ旅行前にぜひチェックしてください。

【1】食事のときのチップ事情

屋台ではチップは基本いりません！

タイといえば屋台ごはん！

私も初めてバンコクに到着した夜、すぐに近所の屋台でカオマンガイを注文しました。

1皿40バーツ（当時のレートで約150円）という安さに驚きつつ、その美味しさに感動して、毎日通ってしまったほどです。

気になるチップについてですが、屋台では基本的にチップは不要です。

地元の人も、観光客も、普通に食べて普通にお金を払って終わり、という感じでした。

ただ、私は一度、コーラの瓶を倒してしまって、テーブルがびしょびしょになったことがありました。

紙ナプキンや調味料まで濡らしてしまい、すごく申し訳ない気持ちに……。

そのときは、お詫びと感謝の気持ちを込めて、会計にプラスして50バーツを手渡しました。

おばちゃんはちょっと驚いた顔をして、それからにこっと笑って「コップンカー（ありがとう）」と一言。

こういう気持ちのチップは、渡してよかったなって思えました。

また、たまに「Keep the change（お釣りいらないよ）」っていうのもやりますが、これは完全に自由です。

1〜2バーツくらいなら、気持ちよく渡すこともありますが、あくまで自分の判断で大丈夫です。

フードコートでもチップは不要

タイのショッピングモールにはフードコートがたくさんあります。

MBKセンターやセントラルワールドのフードコートには、私もよく行きます。

多くのフードコートでは、あらかじめチャージするプリペイドカードを使って支払うスタイルなので、現金を店員さんに直接渡すことがそもそもありません。

食後は食器をそのまま置いておけば、清掃スタッフが片づけてくれます。

チップを置く人はほとんどいませんし、私も置いたことはないです。

「ありがとう」の気持ちで20バーツほど置く人もいるとは聞きますが、あくまでも任意。

無理に渡す必要はないですし、渡さないからといってマナー違反ということもありません。

カフェはケースバイケース

バンコクやチェンマイには、おしゃれなカフェがたくさんありますよね。

私もよくMacBook片手にカフェで数時間過ごしたり、仕事をしたりしていました。

レジの横に「TIP BOX」と書かれた小さな箱が置いてあることも多いですが、これは完全に任意です。

私は、例えば200バーツ渡して180バーツの会計だった場合、お釣りの20バーツをそのままチップボックスに入れることがあります。

特に、長居させてもらったときや、スタッフの笑顔に癒されたときは「ありがとう」の気持ちで少し入れるようにしています。

でも、これも全然義務ではありません。

周りを見ても、ほとんどの人が入れていない印象なので、気にしすぎる必要はありませんよ。

【2】レストランでのチップの目安

タイのレストランには、カジュアルな食堂から高級店までいろいろあります。

ローカルな食堂では、チップはほぼ不要。

でも、きちんとしたレストランに入ると、チップのマナーも少し変わってきます。

私の感覚では、会計の5〜10％程度が目安です。

たとえば、1,000バーツのお会計なら50〜100バーツほどを現金で置いていくのがスマートな感じ。

もちろん、サービスがすごく良かったり、料理がとても美味しかったときには、少し多めに渡すこともあります。

逆に、「あれ？」と思うような接客のときは、20バーツだけ、なんてことも。

その場の雰囲気や自分の満足度に合わせて判断しています。

クレジットカード払いのときは？

タイでは多くのレストランでクレジットカードが使えますが、チップは現金で渡すのが一般的です。

カードで「チップ込みで払えますか？」と聞いても、対応できないことが多いので、私はいつも小額紙幣を何枚か財布に入れておくようにしています。

20バーツ、50バーツ札があると便利ですよ。

メニューの「＋」「＋＋」表記に注意！

タイのレストランで時々見かける「＋」や「＋＋」という記号。

これ、料金に追加の税金やサービス料が加算されるサインなんです。

  • 「＋」：VAT（消費税）7％が追加される
  • 「＋＋」：サービスチャージ10％＋VAT7％＝合計17％が追加される

つまり、メニューに「1,000バーツ」と書いてあっても、実際に払うのは1,177バーツということも。

初めて見たときは、私も「え、なんでこんなに高いの？」とびっくりしました。

このサービスチャージが含まれている場合は、追加のチップは基本不要です。

でも私は、それでも気持ちよく食事できたときは、20〜50バーツをそっとテーブルに置くこともあります。

店員さんが本当にうれしそうな笑顔を見せてくれると、渡してよかったなって思います。

【3】マッサージやスパではチップを渡そう

タイマッサージは旅行の楽しみのひとつ！

私もバンコク滞在中は毎日のようにマッサージ通いをしていました。

足つぼマッサージや全身マッサージなど、価格もお手頃で最高です。

ここでは必ずチップを渡すのがマナーと考えたほうがいいです。

私の場合、1時間250バーツのマッサージなら、だいたい50バーツくらいを渡すようにしています。

セラピストさんが丁寧で、すごくリラックスできたときは100バーツ渡すこともあります。

チップは、終了後に直接手渡しするか、受付の「TIP BOX」に入れるのが一般的。

笑顔で「コップンカー」と言って手渡すと、相手も本当に喜んでくれます。

【4】ホテルでは誰にチップを渡す？

ホテルでは、状況に応じてチップを渡すことが多いです。

まず、ポーター（荷物を運んでくれる人）には20〜50バーツほどが目安。

私はチェックインのとき、スーツケースを部屋まで運んでもらったら、自然なタイミングで渡すようにしています。

それから、部屋の掃除をしてくれるスタッフにも、毎日ベッドに20バーツ程度を置いています。

最初は「毎日置くの？」と迷ったんですが、タオルをきれいに折ってくれていたり、ベッドメイクが丁寧だったりすると、やっぱり感謝したくなります。

ホテルによっては、レストランやルームサービスでもチップを渡すシーンがあるので、柔軟に対応するのがポイントです。

【5】タクシーやGrabはどうする？

バンコクではタクシーもよく使いますが、基本的にチップは不要です。

ただし、料金を切り上げて渡す程度ならよくやります。

たとえば、メーターが72バーツだったら、80バーツ渡して「お釣りはいいよ」と言う感じ。

これは「気持ち」の範囲なので、強制ではありません。

最近ではGrab（配車アプリ）も普及していますが、アプリ決済の場合はチップを渡すタイミングがないことも。

それでも、特に親切だったドライバーさんには、現金で20バーツ渡すと、とても喜んでくれます。

タイマッサージでのチップの渡し方と相場

タイに行ったら必ず体験してほしいのが「タイ古式マッサージ」。

私も旅の疲れを癒すために、ほぼ毎日のようにマッサージに通っていました。

何といっても料金が驚くほど安い！

1時間でだいたい200〜300バーツ（日本円で約800〜1,200円）というお手頃価格で、プロの手による本格的な施術を受けられるんです。

では、マッサージが終わったあと、チップはどうすればいいの？

私の場合、施術に満足したときには「ありがとう」の気持ちを込めて、50バーツを直接手渡ししています。

笑顔で「コップンカー（ありがとう）」と言いながら渡すと、セラピストさんも本当に嬉しそうな顔をしてくれます。

お店によってはカウンター近くに「チップボックス」が置かれていることもありますが、個人的にはやっぱり直接手渡すほうが気持ちが伝わる気がします。

マッサージのチップ相場はこんな感じ

  • 1時間の施術：30〜50バーツ
  • 2時間以上の施術：50〜100バーツ

ただし、これはあくまで目安です。

施術の内容や満足度によって変えて大丈夫です。

私も一度、「あれ？ちょっと雑だったな……」と感じたことがあり、そのときは心苦しいながら20バーツだけにしました。

逆に、「これはまさにゴッドハンド！」と思ったセラピストさんには、感動して100バーツ渡したこともあります。

大切なのは、チップ＝感謝の気持ちということ。

金額に決まりはありません。

自分がどれだけ満足したかで、無理のない範囲で渡せば十分です。

ホテルでのチップのマナー

ホテルに宿泊すると、意外とチップを渡す機会が多いんですよね。

私も最初は戸惑いました。

でも何度か経験すると、タイミングや金額の目安が自然とわかるようになってきます。

荷物を運んでくれるベルボーイには…

チェックイン時、スーツケースを部屋まで運んでもらったときには、20〜50バーツが目安です。

私は最初、焦って財布の中をゴソゴソ探してしまったことがありました。

それ以来、チェックイン前に20バーツ札を数枚用意しておくようにしています。

スムーズに渡せて、お互い気持ちよくやり取りできますよ。

ルームクリーニングへの感謝を枕元に

連泊する場合、毎日お部屋を掃除してくれるスタッフさんへの感謝として、枕元に20バーツ札を置くのが一般的なマナーです。

もちろん絶対ではありません。

私は、「今日はシャワー2回も浴びちゃったな」「部屋ちょっと散らかしちゃったな」というときに置くようにしています。

逆に、一泊だけのときや部屋をあまり使わなかったときは省略することもあります。

特別なお願いをしたときも

「歯ブラシの追加をお願いした」「Wi-Fiの接続を助けてもらった」といった、スタッフさんが親切に対応してくれたときには、20〜50バーツのチップを渡すととても喜ばれます。

こういう小さな心配りをしてくれるスタッフさんには、私も自然とお礼をしたくなります。

タイのタクシーとチップの関係

意外かもしれませんが、タイのタクシーでは基本的にチップは必要ありません。

でも、私はちょっとだけ上乗せしてお釣りを渡さないようにしています。

短距離のときは…

例えば、運賃が85バーツだったとします。

そのときに100バーツ札を渡して「お釣りはいいよ」と伝えると、運転手さんがとても喜んでくれるんです。

「コップンカップ！（ありがとう）」と笑顔で言ってもらえると、こちらも嬉しい気持ちになります。

チップの目安としては…

  • 100バーツ以下の乗車：10〜20バーツ程度の上乗せ
  • 長距離や空港送迎：20〜50バーツ程度

もちろん無理に払う必要はありません。

でも、気持ちよく対応してくれた運転手さんには、感謝を込めて渡したいなと思っています。

注意点：メーターを使うか確認を！

タイのタクシーで気をつけたいのが、「ちゃんとメーターを使ってくれるか」という点。

観光客だとわかると、最初からメーターを使わずに高額な金額を提示してくる運転手もいます。

私も一度、「ここまで400バーツね」と言われて、あれ？と思ったことがありました。

相場より明らかに高かったので、そのときはすぐに断って、**Grab（グラブ）**という配車アプリを使いました。

配車アプリ「Grab」のチップ事情

最近では、タイでもGrabが主流になってきています。

Grabは、アプリ上で行き先を指定できて、料金も事前にわかるのでとても安心です。

特にボッタクリの心配がないのがありがたい。

Grabを使ったときのチップですが、現金払いならお釣りをそのまま渡すという形で十分です。

また、アプリ内の評価画面からドライバーに星5をつけて、任意でチップを送ることもできます。

丁寧な運転や親切な対応をしてくれたときには、私もアプリからチップを送るようにしています。

【参考】食事の場面でのチップ事情

食事のときにも、場所によってチップの扱いが変わります。

簡単にまとめると…

  • 屋台やフードコート：チップ不要
  • カフェや小さなレストラン：お釣りの小銭を少し残す程度（なくてもOK）
  • しっかりしたレストラン：料金の5〜10％が目安
  • サービスチャージ込みの場合：原則チップ不要

私は初めのうちは迷いましたが、何回か食事しているうちに「ここは渡したほうがいいな」と自然と判断できるようになりました。

まとめ

いかがでしたか？

タイでは、日本とは違って「チップ文化」がゆるやかに存在しています。

でも、「絶対に渡さなきゃダメ！」というシーンは案外少なく、あくまでも気持ちや感謝の表現として渡すものなんだなと、何度も旅をするうちに感じるようになりました。

以下、チップの要・不要を簡単にまとめておきます。

  • 屋台・フードコート → 不要（例外的に気持ちで）
  • カフェ → 基本不要（TIP BOXがあれば気持ちで）
  • レストラン → 5〜10％（サービスチャージ含む場合は不要）
  • マッサージ → ほぼ必須（50〜100バーツ）
  • ホテル → ポーターや清掃員に20〜50バーツ
  • タクシー・Grab → 基本不要（切り上げる程度）

タイの人たちは、チップをもらうと本当にうれしそうな笑顔を見せてくれます。

その笑顔が見たくて、ついついまた渡したくなるんですよね。

無理のない範囲で、自分なりの「ありがとう」を伝える手段として、チップ文化を楽しんでみてください。

きっと、旅がもっと素敵な思い出になりますよ！