バンコクには煌びやかな寺院やにぎやかなマーケット、美味しいグルメがあふれていますが、その中で「行ってよかった!」と心から思えるほど感動した場所がありました。それが**バンコク国立博物館(Bangkok National Museum)**です。

歴史や文化にあまり詳しくない私でも、気がつけば展示物に見入って、時間が経つのも忘れてしまうほどの充実した体験ができました。

今回は、そんな私の体験をもとに、バンコク国立博物館の魅力やアクセス方法、見どころ、近隣の観光情報などをわかりやすくまとめました。旅行計画の参考にしてもらえたらうれしいです。


バンコク国立博物館ってどんなところ?

バンコク国立博物館は、タイ最大級の博物館で、王宮(グランドパレス)のすぐ近くに位置しています。19世紀に創設された歴史ある施設で、もともとはラマ5世によって王族のコレクションを一般公開する目的で設立されました。

ここには、仏像・陶器・装飾品・伝統衣装・王室関連の展示物などがびっしり。タイ各地の遺跡から出土した本物の文化財が集結していて、まるで過去へタイムスリップしたような感覚に包まれます。

私はもともと歴史にはそんなに詳しくないタイプですが、それでも「へぇ〜、タイにはこんな様式の仏像があるんだ」「この衣装、どこの地方のものだろう?」と、展示に引き込まれてしまいました。


特に心に残った展示ベスト3

① 地域ごとの仏像たち

仏像って、どれも似ているようで実は全然違うんです。顔立ちや手の形、衣装、姿勢などに、タイ国内でも地域ごとの特色がしっかり現れています。

チェンマイ地方の穏やかな表情の仏像と、アユタヤ時代の威厳ある仏像とでは、見比べるだけでも楽しい。私は特に、スコータイ様式のすらっとした立ち姿の仏像に惹かれました。美しさと静けさが同居していて、なんとも言えない魅力がありました。

② シワモッカピマーン・ホール(中央宮殿)

この建物はかつてラマ1世の王子が暮らしていた場所で、王室の宝物が展示されている非常に豪華な空間です。

中に入った瞬間、目を奪われたのは王冠と玉座。これでもかというほど繊細に装飾された王冠は、宝石の輝きがまばゆくて、まるで映画のワンシーンのよう。玉座の存在感も圧倒的で、「人の手でここまで作れるのか…」と感嘆するばかりでした。

③ 王家の葬儀展示室

少し重たいテーマですが、王家の葬送に使われた**巨大な葬送車「プラ・ラチャ・カーン」**の展示は圧巻です。金箔が施され、緻密な彫刻が施された10メートル以上の車体。荘厳という言葉では足りないほどの存在感で、静かに立ち尽くして見入ってしまいました。


訪れる前に知っておきたい基本情報

  • 名称:バンコク国立博物館(Bangkok National Museum)
  • タイ語名:พิพิธภัณฑสถานแห่งชาติ พระนคร
  • 住所:Na Phra That Road, Phra Nakhon, Bangkok 10200
  • 開館時間:水曜~日曜 9:00~16:00(最終入館15:30)
  • 休館日:月曜・火曜・タイの祝日
  • 入場料:外国人200バーツ(約800円)、タイ人30バーツ(約120円)
  • 備考:特別イベントや祝日で臨時休館もあるため、事前にGoogleマップや公式サイトで最新情報を確認することをおすすめします

私が選んだアクセス方法:「BTS+ボート」が断然おすすめ!

バンコクの渋滞はとにかく有名なので、私はBTSとチャオプラヤー川のボートを組み合わせたルートで向かいました。これが大正解!

ステップ①:BTS「サパーンタクシン駅」へ

BTSシーロム線に乗って「サパーンタクシン駅(Saphan Taksin)」へ。私はサイアム駅から乗ったので10分ほどで到着。冷房が効いていて快適、乗り方も簡単で観光客にはありがたい存在です。

ステップ②:サトーン船着場からボートに乗船

駅を出るとすぐの「サトーン船着場(Sathorn Pier)」で、オレンジの旗のボートに乗船。運賃はなんと15バーツ(約60円)
乗船中はワット・アルンや王宮もチラ見えし、風を受けながらのクルーズは最高の気分転換になります。

ステップ③:ターチャン船着場から徒歩で10分

「ターチャン船着場(Tha Chang Pier)」で下船し、バンコク国立博物館へは徒歩10分。途中には屋台や土産屋もあり、私は思わずココナッツアイスに手を伸ばしてしまいました(笑)。暑い中で食べる冷たいアイスの美味しさといったら…!


所要時間と費用まとめ

  • 所要時間:約40〜50分
  • 費用:合計31〜59バーツ(約130〜240円)
  • メリット:渋滞なし・風景が美しい・コスパ抜群!

その他のアクセス方法も紹介

もちろん、**タクシーや配車アプリ「Grab」**も便利です。
ただし、渋滞には要注意。私は別の日にGrabを利用しましたが、夕方のラッシュ時に当たってしまい、30分の距離が1時間以上かかってしまいました。

タイ語が話せなくても、Googleマップのスクリーンショットを見せるなどの工夫でなんとか目的地に着けます。


おまけ:周辺観光スポットで一日満喫!

バンコク国立博物館の周辺には、タイ観光の定番スポットが集まっています。

  • 王宮(グランドパレス):黄金の装飾がまぶしいタイ王室の象徴。
  • ワット・プラケオ(エメラルド寺院):美術品としても評価が高い仏像が鎮座。
  • ワット・ポー(涅槃仏寺):巨大な寝釈迦仏が迫力満点。

私自身、博物館を見終わったあとにワット・プラケオを訪れて、歴史と文化をダブルで堪能できた一日になりました。

タイの歴史が一目でわかる!時代ごとの展示が魅力

新歴史館の展示は、タイの歴史を時代ごとに区切って紹介する構成になっています。そのおかげで、初心者にも分かりやすく、順を追って歴史を体感できるんです。

アユタヤ王朝の力強さに圧倒される

私がまず惹きつけられたのが、14世紀から18世紀まで栄えたアユタヤ王朝の展示。

ジオラマや当時の武器・鎧などの実物展示を前にすると、まるでその時代にタイムスリップしたような臨場感が味わえます。特に印象的だったのは、海外との交易や交流を再現した展示

「アユタヤは国際都市だった」とは聞いていたけれど、模型や当時の文書、船の設計図まで展示されていて、“見る”というより“感じる”歴史でした。

この展示を見たあと、「タイって、ただのお寺と笑顔の国じゃなかったんだ」と考え直しました。地理的に東西交易の要所であったこともあり、いかに戦略的かつ国際的な発展を遂げてきたのかがよく分かります。


ラマ5世の改革に感動!近代国家への道

次に目を引いたのは、**ラッタナーコーシン時代(現在のバンコク王朝)**の展示。

なかでも**ラマ5世(チュラーロンコーン大王)**のコーナーは、個人的に胸を打たれました。19世紀末、西洋列強がアジアに迫るなか、彼はタイ独自の近代化を推し進めた改革者です。

鉄道模型や当時の制服、公文書の複製などが並び、「教育」「交通」「行政」の近代化の様子が手に取るように分かります。私は鉄道オタクではないですが(笑)、鉄道の導入が国の近代化と直結していたことに気づかされました。

この展示を見て、私は「国の未来を見据えて制度を整えたこの王様は、本当に先見の明があった」と感服しました。現代タイ社会の土台がここで築かれたと思うと、ただの王族の話ではなく、私たちが観光で訪れる“今のバンコク”につながっていると実感できます。


地域文化の深さに触れる:北と南の展示室へ

北タイの伝統美に魅せられる

新歴史館では、地域ごとの文化や生活も紹介されています。私が感動したのは、「北側の展示室」。

ここでは、チェンマイやランパーンを中心とした北タイ文化が美しく展示されています。私は以前チェンマイを旅したことがあり、そのときの思い出が一気に蘇りました。

特に目を奪われたのが、ランナー王朝の仏像や装飾品。金箔の仏像や木彫りの繊細な工芸品の数々は、「芸術作品」というよりも、「信仰と共に生きてきた証」としての重みがありました。

また、赤や金を基調とした民族衣装の美しさにもため息。実際に祭礼で使われていたという話を聞いて、タイ北部の人々の暮らしと伝統の誇りを感じました。


南タイに息づくイスラム文化と海の暮らし

そして、私が最も印象に残ったのが**「南側の展示室」**です。

タイ南部はマレー半島に近く、イスラム文化やマレー文化の影響を強く受けている地域。仏教国のイメージが強かった私には衝撃的でした。

展示室では、幾何学模様の陶器や、イスラム風の装飾品が整然と並び、まるで別の国に来たような感覚になります。その美しさと異文化の香りに、思わずじっと見入ってしまいました。

また、海と共に生きる民族の暮らしを再現した展示も見応え抜群。漁具や船の模型、交易に使われた航路の地図から、「タイ南部は海を通して世界とつながっていたんだ」と改めて実感しました。


展示以外も充実!カフェやお土産ショップでひと休み

展示に夢中になると、つい時間を忘れてしまいます。私も気づけば2時間以上歩き回っていて、ちょっと休憩したくなりました。

ありがたいことに、中庭には緑に囲まれた休憩スペースがあり、ベンチに座ってほっと一息。ここでスマホに写真をまとめたり、気になった展示についてメモを取ったりする時間も贅沢に感じました。

また、館内にはカフェとお土産ショップも併設されています。私はフレッシュジュースとバナナケーキを注文。正直あまり期待していなかったのですが、ケーキがふわふわでびっくりするほど美味しかったです!

お土産コーナーには、伝統工芸品や限定グッズがズラリ。つい象の刺繍ポーチを友人用に購入してしまいました(笑)。


博物館に行くなら?おすすめの服装アドバイス

最後に、私の経験から「これを着て行ってよかった!」と思った服装を紹介します。

  • トップス:通気性の良いコットンTシャツ。汗をかいてもすぐ乾いて快適でした。
  • ボトムス:リネン素材のロングパンツ。日焼け・虫刺され対策にも◎。
  • :履き慣れたスニーカーが正解。地面がデコボコな場所もあるので、クッション性が大事です。
  • 日よけグッズ:折りたたみ帽子とサングラスは必携。日差しが本当に強烈です。
  • 冷房対策:薄手のカーディガンがあると安心。館内は冷房が効いていて、汗が冷えると体調を崩しやすいです。

ちなみに、国立博物館周辺にはワット・プラケオ(エメラルド寺院)や王宮もあるので、露出が多い服装は避けた方が無難です。実際、友人がノースリーブで行ってしまい、入り口で羽織る布をレンタルしていました…。


まとめ

タイ旅行の中でも、バンコク国立博物館は「行ってよかった!」と心から思える場所でした。

歴史や文化が好きな人はもちろん、普段あまり興味がない人にも新しい発見があるはずです。
静かで涼しく、落ち着いた空間で、本物の文化遺産に触れられる貴重な体験ができます。

アクセスもBTS+ボートなら快適でコスパもよく、周辺には他にも見どころが満載。
バンコクを訪れるなら、ぜひ旅のスケジュールに組み込んでみてくださいね!